ネットで出会った女と即合コンしたい!という思いで合コンオファーしまくってたら食い付いた女がいた。久本だ。よし、これで目的を達成できる!と思い順調に久本と合コン調整をしてたら、だんだん久本が合コンに難色を示し始め「私、デブだけど大丈夫?」と殺人カミングアウトを受けた。
もはや死亡していた俺は妥協策としてソロアポに切り替えたが、ドタキャンを喰らい完全に死亡。いやあいつのボディはほぼ脂肪。
性格のおかしい脂肪のかたまりとの出会いを断念したのが前回の話である。
それから数日経った1月某日。
ある人間から連絡が入った。
「すみません、ひとつお聞きしたいのですが、今年の2月3日もブサクエの日でしょうか?ご回答、よろしくお願いいたします。(原文)」
は?
何言うてんの?
2月3日がブサクエの日?
いやいや小学生レベルの発想じゃないですか。まぁそれを言い出したのなら俺ですけど・・
まったくこのくだらない問い合わせメール。
一体、誰のしわざかとおも
しまださん(;゚Д゚)
最近、しまださんのことを知らない人、いや、レジェンドofしまだを知らない人がいるようですね。
もうね、それは女好きのバカにとってはハズい話ですわ。お笑い好きのくせにドリフターズ知らんみたいなレベルやでそれ。甘えん坊な何もしらない君たちのために、一応しまださんを解説しておこう。
しまださん、それはかつて関西でぶっ飛んだナンパブログを執筆していたどうしようもない人物である。リスペクトする人間も多いが、俺は真実を知っている。しまださんはただの突き抜けたアホである。いや、突き抜けているからただのアホではない、救いようがないアホな素晴らしい人だ。
俺は大阪でしまださんと合流したことがあるが、会談というよりどっちがふざけれるか合戦であった。ナンパをするというより、ふざけているだけ。しまださんがふざけだしたら、俺もふざける。だが、しまださんはそれを上回るふざけをし、負けずに俺もふざけ返そうとするが、さらにしまださんはふざける。エンドレスシマダゲームはスーパーマリオ同様、振り返れば時間の無駄。
残念ながらしまださんの見た目はイケメン部類。よって、ドン引きレベルのボケをかましてもついてきちゃう女がいる。だが、周りがドン引きするボケ方針によってそんな女の人気さえ下げる天才。
ナンパして、連れ出して、ふざけて怒らせるだけ。
一体、何がしたいの?
その答えは誰にもわからない。
通常、ブスでモテない男がモテたいためにナンパするのがだが、しまださんの場合はちゃんとすればモテるけど必要ないことをやるがために女に嫌われる。この意味不明なスタイルはナンパ界のブルーハーツともいえる。しまださんはブルーハーツの曲「ミサイル」のような人物だ。
そういえば、当初はしまださんにも仲間がいたような気がするけど、いつの間にか消えていった。ついていけなかったとしても納得ができる。だって、めちゃくちゃするからモテないんだもん。
そんなしまださんからブサクエの日の確認・・・
アカン、
ブサクエの日を忘れてた(;゚Д゚)
ブサクエの日とは、日ごろのブサイクに感謝して・・・、は?なんで感謝せなアカンの?意味わからんし、むしろブサイクは国民の足引っ張っとるやろ!!!とはいえ、世の中が面白くなるのは結局ブサイクのおかげやな、ありがとうブサイク・・・
あおげばーとおとしー、わがブサイク・フォーエバーーーーを合唱する記念日だ。
いや、そんな曲も記念日も多分ない。ただ、2と3が並んでいるからブサイクの日と言い出しただけだ。2月3日はブサイクの日。こんなくだらない日のことをしまださんは覚えててくれた。
言い出しっぺの俺は何をやっていたのだろう?
いつの間にか、ブサイクから目を背けていたのではないだろうか?
適当にナンパ技術を得てしまったがために、調子にのっていたのかもしれない。
何してんだ!!
お前はブサイククエストの党首だろ!!!
俺は自分を鼓舞した。
久本は確かにクズかもしれない。ドタキャンする出会い系に熱心なデブ。正直、最悪だ。だが、本当にそれらの側面だけで久本をクズと断罪していいのだろうか?実は、久本には別の側面があり、俺は一方的な側面のみを評価しているだけではないのか?
そう考えるようになった。今思えば
精神病だったの?
なぜしまださんにブサクエの日の確認を受けただけで久本に対して無理やりポジティブに考えようとしたのか、もはや病気だったんじゃないかと思う。
病気の俺は心を入れ替え、ここから久本に怒涛の鬼調整を放り込んだ。
結果、2月4日(惜しい!!)に久本とソロアポが確定した。
ちなみにこいつらダメだろ!!と思われる出会い系で知り合った主婦LLとも別件で即合コンを2月9日に調整した。
我ながらこれは奇跡的展開だった。
しまださんからのメールがなければ、ブサイクリスペクトの精神を忘れていた可能性がある(いや、忘れてていいんだけど)。
さぁ、これでもう逃げ場はなくなった。
やるしかなくなった。
え?
そんなことして何がおもろいねんですって?
その先に何があるのですかって?
ええ、もちろん
俺にもサッパリわからない。
2月4日
この日の俺は完全に仕上がっていた。
前回久本とアポったときはデブ鬱を患い、周囲の太った人がすべて久本に見えるという幻覚に襲われたこともあった。
しかし、今日の俺には一切の迷いはない。
たとえどんな人が現われようと、ブサイクの日の理念のもと、必ずやハピネスをお届けする。
そして、今回はドタキャンに対応すべくこまめにメールチェックしながら、終業時間をむかえた。
今のところはドタキャン連絡はない。
待ち合わせは19時半、今職場を出れば十分間に合う。
さぁ、いざ!
と思ったそのとき、役員に呼び止められ突発対応を余儀なくされる(;゚Д゚)
ま・・まずい・・・
ただでさえドタキャンリスクのある不安定な案件なのに・・・
しかし、所詮は権力を持つ人間に忠実に従う奴隷。
結局、20分ほどつかまってしまい想定出発時間を越えた。
到着時間は10分ほど遅れそうな状況。
ここはまず久本に遅刻連絡をするしかない。
「すみません、10分ほど遅れてしまいます!申し訳ありません!!!」
僕は丁重に遅れる旨の連絡を入れました。
「わかりました。着いたら連絡ください(原文)」
ふぅ、無味無臭な返信だがドタキャンだけはなんとか避けれたようだ。
いや、無味無臭なのは彼女なりの配慮かもしれない。
初対面で遅刻なんて失礼だ。
理由は何であれ、俺は彼女を待たせているし失礼だ。
俺は普段より遅刻をしないよう心掛けている。Time is moneyという言葉のとおり、他人の時間を奪う遅刻は人の大罪だとも思ってる。だから、人を待たせる行為は嫌いだし自分もそうしないようにしている。
だが、今回は久本を待たせてしまった。
しかし、久本はそれを許してくれたのかもしれない。
「ありがとうございます、では着いたら連絡します」
俺は礼を告げ、電車に乗り込んだ。
久本の自宅の最寄り駅に向かう電車の中で、俺は思った。
久本という女性のことを俺は誤解していたのかもしれない。
少しぽっちゃりしているし、性格的に不器用。
なかなかうまく自分を表現できない
でも、とても寛容で心が美しい女性なのかもしれない。
俺は、自分のものの見方に反省した。
「まだまだだな、俺は・・・」
と自分に戒めの気持ちを抱いていたとき、久本からメールが届いた。
「もちおくれるからにはゴチですよね?!」
俺は人生で初めてSATSUIを抱いた。
つづく。
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