パクソダクエストⅠ いつかのメリークリスマス Season4

0.パクソダクエスト ばかなべの原点
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(和訳:これまでのブサイククエスト)

・・・

マキと別れたばかなべは廃人と化した。

別れを告げられてから4日ほど食べものはのどを通らず、5キロのダイエットに成功。いやいや、どうせなら性交したいよ!などと冗談を言う元気すらなかった。

マキと別れてから3か月、マキはばかなべの前に現れ寄りを戻したいと言った。ばかなべは食い気味にマキを受け容れた。しかし、その関係も長く続かず再びマキは音信不通に。

しかし、捨てる神あれば拾う神もあり、ドエロドМ女のミユキ(ホステス)との出会いでばかなべは覚醒。恋愛リーグからナンパリーグに移籍し、エロんな女との出会いを通じ、自分の世界がいかに狭かったかを知った。

それはマキという世界からの離脱であり、卒業を意味していた。

そんな中、ばかなべは涼子という女に腰を落ち着かせた。涼子はいい女だった。短期間で何人かの女を経験したが、圧倒的にいい女。怒涛の夏は終わりを告げ、涼子と新たな時間を過ごしていこう、としていた矢先、マキは変わり果てた姿で再びばかなべの前に現れた。

前回の記事はコチラから

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マキを送り届けたばかなべは家に向って車を走らせた。

ショックだった。

髪も肌もボロボロ、男に乱暴された青あざのある体。マキは変わり果て、ばかなべが知っている明るく輝いていたマキではなかった。

二度も音信不通で消えたマキに文句のひとつでも言ってやろうと思っていたが、言える状態ではなかった。

-どうにか救ってやりたい

気がつけばアトピーのことを調べていた。大学の友人の知り合いから「医者を変えたらアトピーが治った子がいる」と聞いた。アトピーは医者によって治療方法が違うらしく、また人によって相性の良い医者も違うらしい。

その子が通ったいくつかの医者を紹介してもらいマキを連れていくことにした。

「お前は今弱ってるから、とりあえずちゃんと治療しよう。あとのことはとりあえず置いといて。」
「うん・・」

ある医者へマキを連れて行った。マキが今まで通っていた病院とは治療方針が違ったが、親身になって聞いてくれる良い先生だった。マキと相談し、その医者に通院することにした。

「これでよくなるとええけどな」
「うん、ごめんな。ありがとう・・」

そう言うと、マキは申し訳なさそうに車を降りて帰っていった。

-数日後

再びマキを病院に連れていった。相変わらずあまり元気はない。

「大丈夫、きっと治るよ」
「本当に迷惑かけてごめん」

マキは泣きだした。メンタルも弱くなっているようだ。家まで送ると

「本当にごめん。ありがとう」

申し訳なさそうに車を降りた。車を降りて歩いてゆく後ろ姿がさびしく、そして小さく見えた。そのときばかなべは思い出した。

自分が一番辛いとき支えてくれたのはマキだったことを。

受験に失敗したときも成功したときも、自分のことのように泣いたり喜んだりしてくれたのもマキだった。

一体、マキに何度救われた?今度は、俺が救う番なのか?

いてもたってもいられず、車を飛び出した。

「マキ!」
「え?」
「お前元気出せや。どうやったら元気でんねん。」
「もう、わからん・・」
「いつまでも落ち込むなよ」
「・・・。」
「俺とやりなおす?」
「え?」
「戻りたいん?」
「・・。うん・・。」
「俺のもとに戻ったらちゃんと元気になる?」
「うん・・」
「わかった。いいよ。やりなおそ。」

マキは道路で泣き崩れた。ばかなべはしゃがんでマキの肩を抱いた。

これは安物のドラマか?ふと頭によぎったがこのときは真剣そのものだ。

「ほんまはな、別の子に気持ちが向いているのが辛かってん・・」

マキは泣きながら話し出した。

-それはかつて自分がマキに抱いた感情と同じだった

知らない間に、マキにあの辛い思いをさせていたのか・・・

いやでもどう考えても俺が受けた仕打ちのほうがえぐいやろ・・・

いやここはそんなセコいこと言う場面ちゃうな・・・

「わかったよ。な?」
「うん・・うう・・・」

今までに見たことがないほどマキが弱々しく見えた。

誰かが言っていた。

人間関係で大切なのは「許すこと」であると。

怒りをぶつけたり、自分の考えを主張することは誰にでもできる。

利害関係が違えば衝突は常に起こるものだ。

だが、求めているのは争いじゃない。

仕事でも、恋愛でも、夫婦でも。

人は過ちを犯す。

そんなとき、いずれは許さなければ前進はできないと。

このとき、今までのマキを許そうと思った。いや、実際のところ怒りの感情はなかったけど。

・・・

マキとやり直すにあたって、涼子と別れなければならなかった。

涼子にはマキとのことやそれまでのことをすべて話した上で付き合っていた。そんな自分を受け入れてくれた涼子と別れるのは心苦しかった。彼女には微塵も落ち度はない。むしろ、これからの時間を作っていける相手だと思っていた。

「信じられへん。あんたアホちゃう?それただの情やん。」

別れを告げたとき、涼子はそう答えた。

「ごめん。けど今のあいつには俺がおらなアカンねん」
「じゃ、私はなんなんよ!」

涼子は思いっきりばかなべをひっぱたいた。

涼子はまっすぐばかなべを見て涙をこらえていた。

気が強くて、頭が良くて、しっかりしてる涼子の泣きそうな顔を初めて見た。

真冬の平手打ちは痛かったけど、涼子の心の痛みに比べれば痛くない。

「私、アホな男は嫌いやねん。勝手にしたら?」

そう言うと、涼子は去って行った。その背中は

「引き留めないのか」

と言ってるように見えた。

涼子の後ろ姿を見るしかなかった。

涼子は手を振って歩いていった。

・・・

-12月

すべてのアルバイトをやめた。

それはマキと向き合う時間を作るためでもあったが、将来の自分のために勉強したり準備したいことがあったからだ。マキは毎日のようにばかなべの家に来ていた。ばかなべが勉強しているときは、マキは本を読んだり音楽を聴いたりしていた。だけど、前のようにいちゃいちゃすることはなくなった。

-12月24日

2年ぶりにマキとクリスマスを過ごした。だが、ハーバーランドには行かなかった。なぜだかわからないけど、行く気にはなれなかった。そして、今までとは少し違った、昔のころのようにきれいなイルミネーションを見て感動してプレゼントを交換し合って笑い合ってそんなクリスマスではなかった。

それは今までの2人にいろんなことがあったからなのか

ただ大人になったということなのか

このときはわからなかった

・・・

-2月

マキのアトピーも回復しはじめ、見ただけではほとんどわからないまでになっていた。

「だいぶよくなってきて、よかったな。これならあんまわからんと思うで。」
「うん、ほんまにありがとう」

元気になったマキを見てホッとした。

-4月

マキの体調もすっかり良くなり、以前のマキに戻りつつあった。

いや、以前よりもきれいになったというのが正しかった。

髪の毛は金髪から栗色に戻り、服のセンスはどんどんよくなるし、メイクも上手になり、大人っぽさが出てきている。

それが証拠に、マキはよくナンパされていた。男にとって自分の彼女がナンパされるのは誇らしいものだ。そんなあるとき、マキはとんでもないことを口走った。

「昨日ナンパされた男にホテルに連れて行かれた。でも何もしてないから信じてほしい。」

呆気にとられた。相変わらず唐突だ。マキが言うには、以前ある男にナンパされ、しつこくつきまとわれたから、食事だけは付き合った。その男はその後もたびたびしつこく連絡をしてきてたが、面倒なので無視していた。

そして昨日、その男がマキのバイト先まで来てバイトが終わるのを待っていて、無視するのが怖くなり仕方なくご飯だけ付き合おうと思ったらホテルに連れて行かれた。

どうしても性交はいやだと断ったら「じゃ、一人でやるからそれ見ててくれ」と言われ、その男はマキの目の前で自慰行為をはじめ、そして1人で果てたらしい。後になって知られたときに疑われるのがいやだから先に言ったとマキは言った。

「いいよ、今度から気をつければ。」
「よかった信じてもらえて」

マキは笑っていた。その笑顔を見たとき、あることに気付き始めた。

・・・

-5月

 

 

再びマキが姿を消した

 

 

家にくるはずだったマキが来なかった。

電話をしてもつながらなかった。

今までとまったく同じパターンだ。

-マジでドリフかよ・・・

ここまでくると不思議なもので怒りの感情ではなく、笑ってしまう。1人部屋で笑っていた俺を今思うと、相当ヤバイやつである。

だが、数日たったころに少し心配になってきた。

またおかしくなって戻ってくるんじゃ・・・・

しかし、電話をしてもつながらない。

「何もなければいいが・・」

変な胸騒ぎがした。

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-さらに数日後

マキから電話がかかってきた。

「ごめん、友達と遊んでた」

 

∑(゚ω゚)

 

この人は何を言ってますか?

1か月弱友だちと遊んでたから電話に出なかったのですか?

などと真正面から突っ込む気も起きない。

「そ、、、そうですか・・・。あ、でも大丈夫?」
「うん、大丈夫。」
「そっか、で急に電話どうしたん?」
「うん・・・、実はちょっと話があって・・・実はな・・」
「うん、」
「実は、ちょっと気になる人ができて、少し考えたいから距離を・・・」

 

∑(゚ω゚)

 

あの、やっぱりこの人何を言ってますか?

友だちと遊んでるうちに気になる男が出来たってことですか?

いや、これ確実にやってるだろ、確実にいつもの事後報告だろ、これ。

などと真正面から突っ込むつもりは毛頭ない。

「なるほど、ええよ。わかった、お前の好きにすればいい。」

そう言って、電話を切った。

電話を切った後、はっきり気付いた。

マキが元気であるかは気になったけど

「誰と今、何をしてたの?」
「気になる人とは誰なの?」

そんなことはまったく気にならなかった。

なるほど、俺ってもう

マキを好きではないんだな

俺はとんでもないことに気づいた。

無自覚だったが、自分の本当の感情に気づいた。

そのことに気づいたとき、何か経験をしたことのない喪失感と爽快感が同時に襲ってきた。

その後、マキから連絡がくることはなかった。

・・・

-5月下旬

冬にバイトをやめてから続けていた勉強は一段落がつき、時間が余るようになった。貯金も底をついたのでバイトを再開しようと思ったが、以前の職場は女性関係で色々あったため戻れない。

よって新しいバイトを探すことにした。といっても前のようにやってみたいバイトはなかった。どうせならやったことないことをやろうとアルバイト情報誌で探し、とあるバイトに応募した。

面接会場に行くと、人が一杯でびっくりした。

「なんだよこんなに受けるのかよ・・・」

大きな部屋に通されると20人ぐらいが待機していた。

みんな緊張してるのかシーンとしている。

気まずい。

それは恐らく皆が思っていただろう。

結局1時間ほど待たされた。

「このバイトってそんなに人気あるのか・・・」

そんなことを考えてたら自分の面接の番になった。

面接官はやさしそうな男の人だった。

テキーラ大好き女店長とは大違いだ。

淡々と面接官から言われたことに答え、最後に「質問は?」と言われたので

「待合室に一杯いましたけど応募はどれぐらいあったんですか?」

と聞いたら

 

応募者は120人ぐらいです。」

 

( д)゚゚

 

いやいやいや、たかがバイトの面接に120人!?

いやいやいや、バーテンや旅行代理店では応募者俺だけでしたけど?

なんだよ、すごすぎるじゃねぇか・・・

てか、何を当たり前かのようにこの面接官は言ってんだよ。

とは思っていたが、ここは面接。

「120人!すごいですね、何人採用するんですか?」

 

 

「今回は3人採用予定です。」

 

 

…( ゚д゚)ポカーン …( ⊃д⊂)ゴシゴシ …(*゚д゚)エッ?!

 

 

えっと、この方、何を言ってますか?

えーっと、120人で3人ですか?

つまり

 

採用確率2.5%(*゚д゚)?!

 

今までお世話になりました。

ええ、退散します。

さぁ、次!!次だ!

たかがバイトの面接に40倍の倍率?

と思ったが

なぜか採用された。

なお、このとき採用されたのが、後の親友となる「ぽんくん」と、後に名古屋のテレクラで女に騙され栄から名古屋駅まで夜中に走った「カーミン」である。

・・・

-初出勤日

面を喰らった。

このバイトには独特の世界があった。

かわいい女とアホな男の集まりで妙にみんな仲が良い。言い方悪ければ謎の宗教団体。

これが第一印象。

変にテンションの高い女3人組はアイドル扱いされていた。

2人は超絶かわいいけど、一人はブス。

でもその一人のブスが一番アイドル気質ってどういうことやねん。

男もタレント豊富で、強烈なリーダーM川、やさしい雰囲気のKK先輩(←いまだにつるんでる)、カリスマ性のあるK村など、彼らが中心になり、40~50人ぐらいのメンバーを仕切っているようだった。

で、仕切るといっても仕事を仕切っているのではなく、遊びを仕切っていたのだ。

頻繁にボーリングやカラオケ、アウトドアや旅行など、彼らは何かしらのイベントをやっていた。

-なんなんだここは?

バイトというよりも、サークルのようなノリだ。

バイトは決して金を稼ぐだけじゃなく、スキルを向上させたり、色んな人と出会ったり出来る場であることは理解していた。

だけど、このバイトは金を稼ぐ、スキルを向上させるということには一切関与せず

「思いっきりふざけて、いかに楽しみ、いかに楽しませるか」

ということしか考えていないように思う。

リーダーのM川の口癖は「梅田で一番おもろいバイトにするんや!」だった(意味不明)。

仕事のことは超適当にしか教えないくせに、遊びの話になると真剣にふざけている。

当時のばかなべは人間関係に疲れていたためか、独特の世界に打ち解けるのも正直面倒くさいと感じ、やめようかとも思った。

まぁでも、せっかく40倍の倍率で受かったんだし、新しいバイトを探すのも面倒・・・

そう思いながらとりあえず淡々と仕事をこなした。

・・・

-8月

バイト仲間と初めて南紀白浜に行った。

車3台で夜中の2時に到着。

朝までラーメンでも食べながら砂浜で寝ようと思ったら、複数の女の笑い声が聞こえた。

どうやら花火を楽しんでいるようだ。

「ばかなべさん、ナンパしましょう」

K村がばかなべに言った。

「いいね、やりますか!」

と答え、女の声がする方向へ向かおうとすると

 

K村は服を脱ぎだした

 

「ナンパはフルチンでやらないと失礼です。男なら、裸一貫ですよ」

あの、この人は何を言ってますか?

あなたはクルクルパーですか?

フルチンでナンパなど、通報でもされたらどうすんだって話である。

バイトの先輩ではあるが、年齢はばかなべのほうが上。

ここは社会のルールを伝えるべきだろう。

とりあえず、ばかなべもフルチンになり、裸一貫でナンパに挑むことにした。

「ひゃひゃひゃひゃ!!!」

みんなが俺を見て笑った。

「兄さん・・・兄さんおもろすぎますわ!!」

K村が笑い転げた。

一体何が面白いのだ?

K村は私の股間を指さし笑っている。

ああ、なるほど。

俺のちんちんのサイズで爆笑してるのか。

確かに、K村のちんちんと比較すると4分の1サイズだ。

だがな、ちんちんが本領を発揮するのは勃起したときだぜ?

と思ったが、勃起した俺のちんちんとK村の通常時を比較しても勃起俺のほうが小さいことは容易に理解できた。

いや、いつかのメリークリスマスの記事にこのくだりは確実にいらない。

それどころかただでさえ粗チンで女に人気がないのにさらに人気が下がる。

俺はクリスマスイブのスタバで一体何を書いてるのだ?

さっそくフルチンでナンパしてみた。

「きゃーーーーーー」

ですよね

なお、連れに男がいたようで追いかけられたので逃げた。逃げたらその先にもカップルがいてさらに逃げた。

フルチンで逃げると珍子が太ももにあたって痛い。

今ならTwitterにあげられて一発アウトだろう。

俺は一体何してんだ?

このとき、こいつらとつるんでたら絶対に頭が悪くなるから絶対にバイトやめようと思った。

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-9月

俺はどっぷりとバイトにハマった。

バイトのトップに君臨するM川はある計画を立てていた。

M川がある女に告白をする計画だ。

M川はバイトの中に気に入った女(スヌーピーみたいな顔した女:スヌ子)を彼女化したかった。

正直そんなにかわいいと思わないがM川はものすごく気に入っていた。

普通に口説けばええやんけと思ったが、彼は我々を巻き込んで壮大なサプライズ告白をしたいらしい。

計画は公園にスヌ子を呼び出し、我々がハッピーバースデーをうたいながら登場。

男10人で取り囲み、うさぎの着ぐるみを着たM川が花束を持って登場。

誕生日プレゼントを渡すとともに告白という流れらしい。

今の時代やったなら、確実に怪事件である。

夜中に男10人で女を取り囲むとか、一発アウトのような気がする。

ただ、結果的にこの計画は成功した。

そしてM川はその後スヌ子と結婚し、今も仲良く暮らしている。

破天荒だが、家庭は大切にするタイプだったのね。。。

ちなみに告白が成功したのはよかったが、何より面白かった。

こいつらは本当にバカバカしいし

くだらないことばかりやっている。

子供じみてるし、楽しいことが好き。

いや、それ以上に楽しませることが好き。

まったく面白いやつらだ。

そして、彼らとの出会いから数十年。

今もなお続いている友人関係を私は誇りに思っている。

・・・

-11月

 

お待たせしました

 

5月に姿を消したマキ、また目の前に現れた。

バイトが終わった夜、家に帰ると家の前にマキは立っていた。

マキはガリガリに痩せていた。

もともと細いのにさらに痩せ、胸はまな板のようになっていた。

そして、またもや派手になっていた。

軽いホラーを感じていると、マキが話はじめた。

「もう一度やり直したい」

「は?うそやろ?(笑)」

笑ってしまった。

一体、何度同じことを繰り返すのか。

すれ違いコントにもほどがある。

「本気で言ってる」

マキは最近のことを語りだした。

年上の男と付き合っていたが、どうもその男が危ない男らしくあるとき道を歩いていたら急に知らない別の男に車で拉致され、高速道路の路肩で犯されそうになった。ものすごく怖くて、高速道路を走って逃げた。

 

 

いやいやいやそれ事件ですから

 

 

1回目 バイト先の大学生(普通)

2回目 サーファー(DV男)

3回目 チンピラ?(with拉致未遂)

 

 

あなたはまぐまぐですか?

 

 

鮮やかなほどにぐんぐんと堕ちていく。

マキが言うには付き合ってる男はチンピラで、その男に恨みを持つ男じゃないかと言っていた。

さすがに心配になった。

「で・・、今は大丈夫なんか?」

「数ヶ月前のことだから、今はもう大丈夫やと思う。なんでこんな目に合うんやろ・・。やっぱり私を大事にしてくれるんはばかなべだけやわ・・・。」

マキがそう言ったとき、自分の思いを抑えることが出来なかった。

「それは違う。」

「え?」

「なぜそんなことになる?なぜこんな目に合うって?それは全部お前が選択した行動の結果や。」

「・・・。」

「誰かに大切にされることばっかり願うんじゃなくて、お前がちゃんとせぇよ。で、お前自身がまず自分を大事にせぇよ。そうじゃなきゃ、いつまでもこんなこと繰り返すぞ。」

マキは恋人ではないけど、大切な思い出の人だった。

だからこそ、黙っていられなかった。

「あと、やり直すことは絶対できひん。」

「え?」

「もう二度とお前とやり直すことはない。」

「そうなん?」

「そうじゃなきゃ、俺ら2人とも前に進まへん。」

「・・・。」

「もうあの頃の俺らに戻ることはできひん。戻るんじゃなくて、進まないと。」

「え・・でも」

「あの頃、お前のこと誰よりも好きやった。けど、今は違う。だから終わりや。」

きっぱりとマキに伝えた。

マキは静かに泣きだした。

思えば、ばかなべからマキにさよならを告げたのは初めてだった。

マキにとってはショックだったのかもしれない。

しばらくマキは泣き続けた。

だが、マキの肩を抱くことも、頭をなでることもできなかった。

それをしてしまったら、また同じことを繰り返すような気がしたから。

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車でマキの家まで送ることにした。

車の中では終始無言だった。

家の前に着いた。何度も何度もここに送り届けた。

でも、もうここに来ることはないだろう。

「気を付けてな。」

「ありがとう・・」

「おう。」

「なぁ、うちらホンマにこれで終わりなん?」

「うん、けど、それぞれのはじまりでもあると思うよ。」

「そっか・・・。わかった・・。今までありがとう。」

そう言うと、マキは車を降りて歩いていった。

冬空の中、一人歩いていくマキ。

この姿も何度もみた。

今まで悲しそうなマキを放っておけなかった

それはマキを放っておけなかったのではなく

マキを放っておく自分が受け容れられなかっただけだ

目をそらさず

寂しそうなマキの背中を見た

初めてその背中を受け止めることができた

to be continued…

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