あ、ヤバい、イッちゃいそ。
私の身体の上で腰を振る女は、いつも絶頂を迎える直前にこの言葉を言った。
やがて小刻みに身体を震わせ、私に倒れこむ。
その言葉を聞いた私もまた、興奮を覚え、果てる。
月曜、火曜、木曜の夜はいつもこんな調子だった。他人の家に泊ることなどほぼしなかった私だが、その家にはいつも泊まっていた。それほど私は魅了されていた、ある女に。
それは2010年の出来事。
数年前、「東京都北区赤羽」というコミックが流行した。

清野とおる氏(壇蜜の旦那)が描いた東京都北区赤羽のイカれた状況を漫画にしたものだ。控えめに言って「なんじゃこりゃ」のエピソードしかないのに面白いコミックだ。
この本のおかげか、赤羽人気が上がり、近年は若者が昼から集まって酒を飲むスポットになっている(コロナ後はしらんが)。
マンガがヒットした後、2015年1月には山田孝之が主演のドラマ、テレ東で「山田孝之の東京都北区赤羽」が放映された。
エンディングテーマ の「TOKYO NORTH SIDE」は作詞を山田孝之、作曲・編曲を吉井和哉(イエモン)が務めた。
自信を持って言える。
最強の名曲だ。
「地図が忘れた、まぼろしの街。見つけてみせる、レッドウィング」
こんなフレーズ、どうやったら思いつくの?
天才的すぎる山田孝之の歌詞には脱帽でしかないが、私を山田孝之以上に脱帽させる女が、2010年当時、赤羽の隣町に住んでいた。その女がきっかけで「東京都北区赤羽」というコミックにも出会えたのだ。
彼女の出会ってなければ、私は「東京都北区赤羽」というコミックはおろか、街の存在さえも知らなかったかもしれない。
その女の名は「ユミ」である。
ここで、その頃のことを語っている過去の記事をそのまま掲載してみよう。
・・・
2010年3月中旬
以前飲みで知り合った女(新あや)から、私のことを気に入ってる女の子がいるという情報がはいりました。
ほうほう、そりゃ誰だ?と尋ねたら、私が前にコンパで2回あったことのある子(石田)。
はっきり言って意外でした。
その子、見た目は悪くない(地味な安めぐみ)。
ですが、ほとんど絡みませんでした。
なぜなら、苦手タイプだったからです。
何が苦手だったかというと
・お酒を飲まない
・ガッチガチの鬼ガード
・甲高い声で敬語でしか話さない
・下ネタにのってこない
・彼氏は3年以上いない
・だから合コンにはくるけど
・やっぱりガッチガチガード
なんやねん(;゚д゚)
この子いったい何しに来てるんでしょうか。。
別にいいんですけどね、こうなるとしゃべることがなくなってコンパは
シケトーーーク
になるのです。
ということで、石田に言ってやりました。
「下ネタ嫌い?わかります。でもごめん、うんこの話続けるわ」
これはコンパでの私
なりの、女の子に対する「そんなことじゃモテないよ」というアドバイスです。
ただ、アドバイスの方法が大幅に間違っていることを私はまだ理解しておりません。
・・・そのときの様子・・・
うんこの話をする
石田は無視して聞こえないふりをする
さらにうんこの話をする
石田は無視して聞こえないふりをする
うんこ
無視
うんこ
無視
解散
なにそれ(;゚д゚)
・・・終了・・・
はっきりいってドイヒーです(笑)
しかし、ひどい扱いをしたにもかかわらず、実は石田が私をちょっと気に入ってたらしいのです。(「ばかなべさんはアリかも」と上から言ってたらしい)
エコな私は電力削減のため、無駄な赤外線はしません。
よって石田の連絡先も知りません。
普通なら、番号を聞いてこない男なんてプライドの高い彼女からすれば気に入らないタイプだと思います。
しかし、それが逆に効果があったのか、好感をもったらしい。
このパターン、たまにあります。(女心はわからんもんです)
まぁ、そう言われたら嫌な気しないんで早速、最新のCYD(Conpa yarinaoshi Dousuruyo?)システムでコンパをやり直すかどうか分析しました。
・・・分析中・・・
石田は見た目は悪くない、いやなんなら良いほう(固そうやけど)
実はうんこ話が好きなのか?
実は俺のノリが好きなのか?
ノリが良くなれば石田に欠点はない。
分析結果: 「GO」
・・・分析終了・・・
ということで、飲み会を開催。
・・・コンパ情報・・・
3月中旬 銀座スタジアム
3,000円ぐらいの飲み放題
ばかなべタイガース
・ばかなべ
・AK035
新あやモンスターズ
・新あや レベル16 33歳 OL
・石田 レベル22 20代後半 OL
・・・終了・・・
コンパスタート!
出会って3分でデートしようぜって言ったら石田ドン引き( ゚д゚)
そして健康的に終了。
・
・
・
・
やっちまった(;゚Д゚)
私は完全に石田のカタカタの実力をあなどっていました。
下ネタ → 受け入れず
うんこ → 受け入れず
デート → 受け入れず
ラブホ → 受け入れず
前回とまったく同じ展開やんけ(;゚д゚)
石田くん、もう一度言わせてください。
何しにいらっしゃったんですか?
まぁ、単なる私の実力不足という点は否めませんが・・(笑)
ビビるほどしょうもない(盛り上げることができなかった)コンパでした。
そして、恐る恐る目の前の事実を列挙してみると・・
・天気の良い金曜
・1ミリもおもろないコンパで過ごし
・終電目前(23:00過ぎ)
悪夢やん(;゚д゚)
新あやはノリノリ、石田はカチコチ。
こんな状況で女どもは朝まで飲もうと言い出す。
かなりつきまとわれる。
スマン、もう君たちに対応する実力は俺らにはございません。
石田さんの「趣味は?」「好きなテレビは?」「血液型は?」みたいなNHKみたいな質疑応答を朝まで繰り返すことはできないのです。
私は決心しました。
こんなことで今日を終わらせるわけにはいきません。
ナンパしかない。
ということで、新あやと石田を
撒きました(最低です)
・・・
さて、とりあえず反省しました。
もちろん、女の子たちにも問題はあったかもしれない。
しかし、キャスティングから店選び、コンパの展開含めプロデュースしたのは俺らだ。
いわばダメプロデューサーだ。
うまくいかないとき、人のせいにしても意味はありません。
「失敗の原因は自分にある」
このように、我々はいつも真摯に課題を受け止めるようにしています。
我々は帰りゆく新あや・石田を見て、反省の意味を込めて
合掌しました
・・・
と・い・う・こ・と・で
終電までの時間、戦おう(゚∀゚ )
と、決意した2秒後!(実話)
現れたのです。
ドストライクなオサレさんが。
・・・戦闘開始・・・
モンスターがあらわれた!!
・ユミ 26ぐらい? レベル28
・店長 25ぐらい? レベル25
銀座を歩く二人組はスペックが高かった!!
ユミはばかなべのバリ好みだった!
ばかなべの先制攻撃!
ばかなべは「友達の犬が死んで困ってます」の呪文をとなえた!!
クリティカルヒット!
ユミは87のダメージを受けた!
AK035が店長にまわりこむ!
AK035の攻撃!
店長は67のダメージを受けた!
ここで横ヤリが入った!
新あやはばかなべにデンワーの呪文をとなえた!
ばかなべは無視した!
新あやはAK035にデンワーの呪文をとなえた!
AK035は電話に出てしまった!
AK035は新あやのデンワーでねむっている!
※ラリホーは眠らせる呪文、デンワーはナンパ中に電話に出てしまい、その間は戦力にならないこと。
ばかなべはAK035が電話中、1対2で戦闘に挑む!
ばかなべの攻撃!
ユミは71のダメージを受けた!
店長は様子をみている!
AK035は電話を切った!
すかさず、ばかなべ&ユミ、AK035&店長 のタイマン形式にもちこんだ!ばかなべは「仕事何してんの?」の呪文をとなえた!
みゆは「アパレル系」とこたえた!
だからオサレなのか・・・ばかなべは54のダメージを受けた!
・
・
・
有楽町から東京駅までついていきながらの攻撃が続く!
ばかなべはしつこかった!
ばかなべは後ろをふりかえった!
なんと、AK035もしつこかった!
・・・終了・・・
ユミは好みでした。
関西のバイト仲間には、「カヨ」そっくりといえばわかるでしょう。
俺のプライベーツを知っているやつらには、歴代彼女ランキング1位にそっくりといえばわかるでしょう。
ナンパタイムは約30分。
話を聞いてみると、クラブ活動しまくってるらしい。
ナンパにも慣れておりなかなかの強敵。
猫目。
オサレ。
カワイイ。
ノリも良い。
ほほう、相手にとって不足なし。
結局この日連れ出しとはいかず、後日飲み会することとし、赤外線完了。
これがこのストーリーのはじまりです。
つまり、本題に石田はぜんぜん関係ありません。
ビビるぐらい長い前フリです。
しかし、石田コンパがびびるほどおもんなかったからユミを見つけることができたのです。
そういう意味では、この出会いは石田のおかげといっても過言ではない。
勝てると思うコンパに負け
負けると思うナンパに勝つ
やはり、ナンパもコンパも奥が深い。
いまだからいえる。
石田さん、ありがとう
そして、一生バイナラ
ナンパはリアルタイムに進行中。。
つづく。
・・・
昔の俺、テンション高いな。
30歳以上でコンパでうんこの話をしていたとは、我ながらアホなの?とツッコみたくなるとは思ったが、この記事はまさに事実そのままだ。
もし、石田がエロエロな女だったらナンパはしなかっただろうし、私の人生の女ベスト10で間違いなくランクインするユミとは出会えてなかったということだ。
行動によって人との出会いから得られる成果まで全部異なる。
これは、行動がなければ成果は得られないということを意味する。
そして、ここから私とユミの出会いは始まった。
彼女は、私を支配した数少ない女の1人である。
つづく。
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