若狭湾の中心で世界平和をさけぶ

1.ブサクエⅠ

ヒロシって誰だよ

と言われると、そりゃ私の子供の頃からの親友、ホリ君とヒロシのうちの一人ですよとしか言えないのだが、ヒロシのことに知りたい方は前回の記事を参考にしてもらいたい。

ヒロシもホリ君も私にとっては付き合いが長いので、書ききれていないエピソードはめちゃくそある。ほぼくだらない内容でしかないが、思い起こすとさまざま。

今回はそのうち、ヒロシのエピソードを書いてみたい。

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高校3年の夏、私とヒロシは日本海の海に向かってバイクでツーリングしようという話になった。この頃、ホリ君はバイクに興味が薄れており、参加意思は超低かった。

金曜が明けた土曜午前1時に大阪を出発。若狭湾に向けて高速道路を使わずに下道、つまり山道を通って行くことにした。

バイクを走らせること約2時間。

真っ暗な山道に到達した私とヒロシは超テンションがあがり、バイクを止めた。ジュースを飲みながら一服。月明りしかなく、音も一切ない山道はなんだか神秘的だった。

あたりは真っ暗で、もしここで死体を捨てても100パーバレないんじゃないか?きっと誰も気づかないであろう場所だ。

経験したことのない静寂さに、感動を覚えた。

「ヒロシ、すげーな!なんじゃこりゃ!」
「ホンマやな(笑)これはヤバい(笑)」

高校3年生にとって、真っ暗な山道にいる自分たちの非現実的な状況が面白くて仕方なかった。しばしの休憩時間はとても楽しい時間だった。

「よし、そろそろ行くか」

と言ってバイクにエンジンをかけ、ライトを点けた瞬間

 

見たこともない巨大な蛾が現れた(;゚Д゚)

 

蛾は明るい場所に集まるらしいが、手のひらよりも大きいのではと思われる蛾が私のバイクに近づいてきて大混乱。ここは風の谷のナウシカか?(;゚Д゚) 山、怖すぎる。。。

私とヒロシは、今後は山での休憩は絶対しないと誓い、若狭湾へとバイクを走らせた。

・・・

なぜそんなに時間がかかったのかはわからないが、若狭湾近くの市街に着いたのは朝方8時。眠くて仕方なかったものの、真夏は朝とはいえ暑い。

私とヒロシは、バイクを止め、日陰を探し求め、とある公園のベンチで眠った。

目を覚ましたのは昼過ぎだっただろうか。

そこから俺たちは若狭湾に向かってバイクを走らせ、ようやく海水浴場に着いた。だが、あまりに疲れすぎて、結局海にも入らず寝た。

夕方になり、海の家のシャワーで汗を流し、いよいよナンパタイム。

といいたいところだが、二人ともまだナンパに慣れておらずなかなかうまくいかない。2時間ほど戦ったが全敗。ああ、夢のひと夏の恋は一体どこにあるのだろう・・・とうなだれていたら

「俺、あの女いってくるわ」
「は?マジで?」

ヒロシは、10m先に一人で佇んでいる女に声をかけにいくと言った。だが、その女は

 

確実に30オーバーだった

 

一目でわかる30代感。

当時の高校3年生にとって30オーバーは完全におばちゃんだ。

どうやらヒロシはおばちゃんOKフラグが立っていたらしい。

ヒロシはその女と意気投合。

「ちょっと行ってくるわ!」

と言いながら、その女をバイクの後部座席に乗せてどこかに走っていった。

おいおい、そうなると俺はどうなるんだよ。

ふざけんな、負けてられるか。

そこから怒涛のナンパをしまくり、二人組の女を捕まえた。

彼女たちは大学1年。高3男子にとって1歳年上の女というのはとてつもない年上感があるはずだが、私がナンパしたのは超普通で田舎っぽい小柄な女二人組。要するに「お手頃」である(当時からお手頃で精いっぱいである)。

もちろん自分も大学1年を装うことにした。無論、どこの大学?と聞かれたら大阪大学と言うと決めていた。大阪といえば大阪大学だろ、それしかないだろと。

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私が女子大生と花火をして盛り上がっていると、ヒロシは戻ってきた。どうやら撃沈したらしい。まぁでもこっちの女子大生のほうが楽しいじゃないか。存分に楽しもうぜ!てことで、海岸沿いの海の家でしゃべることにした。

私たち4人は、海の家で平和にかき氷を食べていた。

二人の女(ユキ、ヒロミ)のスペックは極めて普通だが、ユキのほうがスラっとしていたので好みだ。よって、ヒロミはヒロシに相手してもらおう。

と、そのとき。

事件が起きた。

「なんや、オラ!」バン!!
「しょぼい海やのーーー」ドカ!!
「どけオラ!」バギャ!!!

7~8人ぐらいの男たちが賑わう砂浜近くに現れ

 

周囲の男全員をボコボコにしていた(;゚Д゚)

 

まるでバイオレンス映画でも見ているのか?と思うほどに、歩いている周囲の男たち全員を殴り倒したり蹴り倒したりしている・・・

また彼らは歩いてる女を見つけては

「お前ら、ついてこい。」

と言ってたかどうかはわからないが、女に選択権はなく無理やり合流させていた。

「ばかなべ、これはアカン・・・」

ケンカ最強のヒロシでさえ、彼らはアカンと言う。

「あいつら頭おかしい。しかも数が多いからアカンわ」

ヒロシの冷静な分析を聞き、こりゃいよいよヤバいと思ったが

 

彼らは俺たちと同じ海の家に入ってきた(;゚Д゚)

 

「おい、ビール100個たこ焼き100個持ってこいやコラぁ!!」

入ってくるなり注文がめちゃくちゃだ。

彼らが連れてきた女は全員顔がひきつっている。

男7~8人、ヤンキーというよりちょっとかっこいい系の兄ちゃん。

だからこそ余計に恐ろしい。

間もなくして

「お前、何見てんじゃこらぁ!!」

バギャ!!!!

彼らが座った席に運悪くもともといたカップルの彼氏は被害者になった。

まさにバギャ。

リアル北斗の拳。

ケンカ慣れしてないであろう大人しそうな彼氏っぽい男は意味もわからずぶん殴られ、床にうずくまった。

彼女っぽい女性はかなり混乱をしていた様子だが、特に彼氏を助けるわけでもない。

殴られた男は床にうずくまり動かない。

たぶんパンチが効きすぎて動けないのではなくて、単純にビビって動けないだけなんだろう。

ここで妙に「生き残ってます」アピールをするゴキブリは、さらにとどめを刺される。彼はやられたフリをして、これ以上の攻撃はどうかやめてください、おねげえしますだお代官様作戦だ。

わかる、わかるよ・・・。

しかし、そのままそこにうずくまってもまったく何の解決にもならないんだけど・・・・

もちろん彼女らしき人物は、彼氏を逃がす行為をするかと思われた。

 

だが、彼女は1人で逃げた

 

いや、二人でいただけなので、彼氏彼女の関係かどうかはわからない。

だが、仮に彼氏・彼女の関係だったとしても、パンチ一発でいとも簡単に死ぬ彼氏、そして死んだ彼氏を見捨てて逃げる彼女の信頼関係は崩壊したことは間違いない。

ちなみにその彼女は結構なぽっちゃり体型だった。逃げるときに乳と腹が揺れていたのがどうしても脳裏から消えない。まったくくだらないことだけ記憶に残るクセはいまだに変わらない。

私はこのとき、思った。

デブ専彼氏、ここに死す・・・

いやいやいやいや、そんなこと考えてる場合ではない。

明日は我が身、いや2秒後は我が身。

我々も昇竜拳でブチ殺される可能性はある・・・

正直、死を受け入れる準備はしていた。

だが、こういう揉め事が起きた時の私の気配の消しっぷりはロシア陸軍並みだ。なぜか火の粉が私のほうには来ないようになっているらしい。

そして、ここまでの騒動になると当然すぐに警察官がやってくる。警官は2名だが、お店の人や、正義感と腕っぷしに自信があるであろう若者が加勢し、怒鳴り合いが始まった。

ちなみに死んだはずの彼氏はどうやら死んでなかったようでいつの間にかいなくなっていた。

ヒロシも揉め事を止めようと警官たち側で大活躍していた。

え?私ですか?

 

ユキと手を繋いでました(木陰で)

 

彼氏が殴られたとき、ユキがとっさに「え、怖い・・」と私の袖を引っ張ったので、そのタイミングで手を繋ぎ、警官たちが入ってきたとき「ちょっと離れたほうがええで」とユキを安全な場所へ誘導したのだ。

現場は騒然としていた。

「ええからやめとけ!」「つかむな!離せ!」

男同士の戦いは続き、そして叫び合っていた。平和を守るために男たちは戦い、叫んでいた。

私は木陰でユキとキスしていた。

そして私とユキは祈った。

「早く世界平和がきますように」と。

星空を見ながら。

このとき、ユキと結婚するかもしれないと思った(2日後に勘違いだと気付いた)。

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