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(和訳:これまでのブサイククエスト)
俺より3歳年上の田丸さんは、社会人経験を経て晴れて大学生となった。だが、大学内では鎖国姿勢を貫き、孤高の存在を確立(友だちいないだけ)。
そんな田丸さんとひょんなことから仲良くなったばかなべは、田丸さんの自宅へ。マンガのようなボロアパートに衝撃を受けるも、確実に二人の距離は縮まった。
田丸さんの鎖国姿勢も次第に軟化、そのタイミングで同じ授業を受けていた1年生男子2人(高橋君、近藤君)に声をかけ4-4コンパを開催したのだが・・・
・・・
「俺な、コイツって決めたやつとしかセ〇クスしたくないんよ」
「男なら本気の女としか付き合ったらアカンよ」
「結婚前提が基本や」
田丸さんは我々にアツい恋愛方針を語った。
ちなみに、田丸さんは女のビジュアル評価は東証一部の審査基準よりも厳しい。
グラビアアイドルを雑誌で見ても「これはブス」「こりゃアカン」など次々とダメ出しをする敏腕ディレクターだ。
無論、風俗店でも絶対に指名はかかさない。要するに
素人童貞ということだ
アツい恋愛方針を持つ田丸さんにとって、彼女候補選びも一切の妥協はない。
そんな田丸さんがコンパで知り合ったA子をドラフト1位指名した。
ちなみにA子のレベルは8、一般的にはブスとドブスの間ぐらいの指標だ。
これに対する一切の意見は受け付けない。
私の仕事は「A子入団交渉≒素人童貞卒業」をスムーズに進めることにほかならない。
「田丸さん、飲み会じゃなくてソロでいったほうがいいですよ」
「それもそうやな。連絡先だけ聞いといてくれへん?」
「ガッテンです」
田丸氏の要請を受け、私は早速次の手を打ったのだった。
・・・
MISSION 1 A子調査
さっそく彼女にA子の連絡先を聞き出し、さらにA子に対して田丸印象調査指示。諜報活動の結果は以下のとおりだ。
・田丸さん?あぁ、覚えてるよ
・悪い人じゃないんじゃない?
・2人で会うのはちょっと・・・
・みんなでワイワイならいいけど
A子のようなタイプが言いそうな「みんなでワイワイ」。
要するに田丸さんには興味ないけど、みんなでワイワイやってれば楽しいかもしれないし、別の出会いがあるかもしれないという、結果が出ない無根拠願望だ。
結論から言えば、田丸さんに明るい未来はない。
やっぱりやめましょう┐(´д`)┌
正直、A子(LV8)に単独交渉拒否されたのは心外だ。A子のくせに調子に乗りやがって。童貞卒業コンサルタントの私としても、そもそも童貞卒業相手がA子ではモチベーションを保つこともできない。
本件は早急にクローズとし、別案件をスカウトしたほうが良い。
不甲斐ないが、田丸さんにその旨報告をすることにしよう。
・・・ばかなべ&田丸首脳会談・・・
――田丸さん、ご指示の通りA子の連絡先を入手しました。

「うむ、ありがとう」
※田丸さんの眼力に近い力士の画像を使用しております。
――ただ、田丸さん。大変申し上げにくいのですが、A子はソロアポに乗り気ではないようでして・・

「あ、そうなん?」
――そうなんです。僕の女にA子を調査させたのですが、なんといいますか2人で会うのはちょっと・・・という表現だったみたいでして

「そうなんや。まぁ、いきなり俺とやと緊張するんやない?A子も割とシャイなんやな(笑)」
――シャ・・シャイ?(;゚д゚)

「飲み会のときもあんまりしゃべらんかったし、シャイな子やなとは思っとったんや」
――ま・・、まま・・、そういうことかもしれませんけど・・。ただ、結構面倒くさいんですよ。なんか、2人で会うのはちょっととか言ってるんですけど、聞いてもないのに「みんなでワイワイは好き」とか言い出しまして。

「みんなでワイワイ?」
――はい、「みんなでワイワイ」ですよ。これって・・・

「なるほどな」
――はい。ですから

「ばかなべ君」
――は、はい?

「みんなでワイワイは名案やな」
(゚Д゚)
――え?め・・名案ですか?

「わしも、みんなでワイワイのほうがええんちゃうかと思っとったんや」
――そ・・そうですか・・

「ばかなべ君」
――は・・はい?

「ばかなべ君のマシンでドライブいこうや」
(゜-゜)
――か・・かしこまりました・・。
・・・
田丸さんは空気を読む力に重大な欠陥があるのを忘れてました。
もう、ピュアすぎます。
ピュア丸です。
ということで、ピュア丸の指示に従い、ドライブに行くことにしました。
・・・A子攻略ドライブ企画・・・
<参加者>
男性:ピュア丸・近藤・ばかなべ
女性:A子(LV8)・B子(LV18)・私のセフレ
<コース>
梅田~舞洲~六甲山~神戸ハーバーランド
※かわいいC子は不参加、よって高橋戦力外通告(ちーん)
・・・
-当日
昼前に梅田に集合し、まずは舞洲へ。

舞洲は公園があってアスレチックゾーンもある。デートだけでなく野外コンパや野外鍋パなどさまざまな活用が可能な場所だ。
まずは芝生の上に座って女子に作ってきてもらった弁当を喰らいつく。で、バドミントンやらアスレチックやらしてはしゃいだ後、六甲山へ。夕方頃に六甲に到着し、お約束のビーナスブリッジ(懐かしい)。

ほどよい夜景を堪能した後、ハーバーランドに向い海ごしにポートタワーを見ながらダベる。
このように、ドライブコース自体は超がつくほどさわやかで完璧でした。女子も満足してたし、近藤も楽しんでました。
ただ、ピュア丸は終始口数が少ない。なんなら不機嫌なのか?と言いたくなるぐらいに、しかめっ面でタバコを1人でふかしてるシーンが多かった。
数ヶ月前の友達がいないころのピュア丸かのように。車の中でのしりとりでも、近藤はボケまくるのにピュア丸は普通のしりとりに終始。
渋く決めたかったのか、滑るのを怖がってるのかは不明だが、ピュア丸はちょっと浮いた存在だった。
もはや近藤が46歩ぐらいリードしているのは明白。
・・・

夜のハーバーランドへ。絶好の口説きスポットだ。
1人で海見ながらタバコを吸うピュア丸。
女子3人と楽しくしゃべる近藤。
「なぁ、田丸さんやばない?」
やばいな・・・」
セフレちゃんの指摘を受け、極秘会談を行うことにしました。
・・・ばかなべ&ピュア丸極秘会談・・・
――ピュア丸さん今日はお疲れさまでした。今日のコースはいかがでしたでしょうか。

(マルボロをふかしながら)「今日?もちろん楽しいで。」
――そ・・そうですか。A子とはどんな感じでしょうか?

(マルボロをふかしながら)「まぁ、手ごたえはないことはないけど近藤がジャマやな」
――(ひ・・人のせいかよ・・)え!?そ・・そうですか・・。

(マルボロをふかしながら)「あいつもなんだかんだでA子狙ってんちゃう?めっちゃアピールしてるしな」
――そ・・そんなことはないと思いますよ。一応、打ち合わせ通り近藤はB子狙いになってますし、そもそもA子はありえないと思いますんで・・。

(マルボロをふかしながら)「まぁ、近藤がその気なら俺も黙ってへんけどな」
( ゚Д゚)
――(田丸さんが黙ってへん言うても全然なんとも思わない・・・間違えた、意味わからん方向で拗ねてる(;゚Д゚)やばい、このままではピュア丸じゃなくてスネ丸になってまうぞこれ・・・ )あ!そういえばピュア丸さん、極秘情報を入手しました。

「なんや?」
――えっとですね・・、A子「ピュア丸さんっておもしろいね(※恐らくまずい料理をおもしろい料理と表現するようなやさしさを込めて)」と言ってました。

「そうなん?」
――は・・はい。

「ほんまにか?へぇどんなところがや?あ、あれかな六甲でかましたボケやな。あれはagrpairfaertiae・・・」
――(な・・・なげぇ)は・・はい。そうかもしれないですね。

「ばかなべ君」
――は・・・はい?

「俺の経験上やけどな」
――は・・はい・・

「恋は弱肉強食やで。」
――そ・・・そうですね(;゚д゚)

「ばかなべ君も今の彼女しっかりつかまえとかんとな。俺はそんなつもりはないけど、俺に惚れることもあるからな(笑)気をつけたほうがええで。」
――は・・はい、ありがとうございます。
・・・
その後、ピュア丸はひとりでタバコをふかし続けた。(カッコイー)
A子に強い関心を持ち続けるピュア丸。
危なくスネ丸になるところだったが、なんとかピュア丸を維持した。
ピュア丸はタバコを吸いながら何を思うのだろうか。
ピュア丸の瞳には夜のポートタワーが映っていた。
その視線の先にはA子がいるのだろう・・・
うまくいくといいですね、ピュア丸。
などと書いていてきづいたが、途中から「さん」付けをやめていた。
これは先輩に対して失礼だ。
ただ、書き直すのは面倒なので、これ以降気分に合わせて「さん」をつけるかつけないかは判断しよう。
さて、近藤にやや(どころかとんでもないレベルの)遅れをとっているピュア丸。
恋は弱肉強食だ。
果たして、ここから這い上がることはあるのか!?
そしていよいよ次回。
ピュア丸は本領を発揮するのだ。
今、読者のみんなはピュア丸をなめていることだろう。
だが、後悔するなよ。
史上最強の実力をピュア丸は見せてくれる。
驚愕の実力、次回発表。
つづく。
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